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執筆者の写真司法書士 桒原浩一

田舎の空家・土地問題

 先日、田舎にあるお墓の掃除に行ってきました。

海もあり山もありと自然いっぱいの所ですので、大阪より多少は涼しいかなと思いきや、無茶苦茶暑い... 

ジリジリと肌を焼く日差しに耐えて、セミの大合唱を聴きながら生い茂った草を引き抜き、墓石を磨いてまいりました。

全身汗だくになり、暑さでフラフラになりながらの作業でしたが、きれいになったお墓に線香をたて手を合わすと、なぜか清々しい気分になるものです。


 墓掃除に一緒に行った親父、私そして大学生の息子とで、汗を流しに立ち寄った温泉に浸かりながら3世代で田舎について色々と話をしました。


 この田舎には、お墓の他に祖父母が暮らしていた家(10年ほど前から空家)や、代々引き継いできた田畑(半分は荒れ地状態)、山(道もなく立入ることすら困難)があり、これが案外悩みの種でもあります。

家は空家となってから、草木が生い茂り、建物も築100年以上経つので老朽化も進んでおり、田畑も放っておくとすぐに雑草が背丈ほどに伸びてしまうので、定期的に車で片道3時間かけて手入れをしに来なくてはなりません。

これらの財産を手放すのも選択肢の一つですが、3世代それぞれ考えかたが異なります。


親父:生まれ育った場所なので思い入れが強く、自分の生きている間は手放したくない。家や田畑の処分の話をすると聞こえないふりをする。


私 :思い出はいっぱいある場所なので、できることなら手放したくないが、遺しておくと次の世代が大変な思いをするので、手放すことは腹に決めている。でも自分の代で手放すと、ご先祖に申し訳ない気がするので、親父の代で手放すよう仕掛けている。


息子:冗談で「田舎の家に住むか?」と聞くと「絶対にイヤ」とか言う(大の虫嫌い)。お墓の守はちゃんとしていくが、草刈りとかは勘弁してほしいと思っている。


 まあ、いずれは手放すことになるでしょうから、どの時点で田舎への想いを断ち切るかという判断になりそうです。とはいえ、3世代でこのようには話し合えるのも田舎があるおかげなので、遺してくれたご先祖様に感謝の気持ちをもってお盆を迎えたいと思います。


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