久しぶりに良い本に出くわした。
刑事裁判小説である。
この作家法律専門家ではないのに法律について専門家と同等かそれ以上に詳しい。本の推薦者によるとこの本を上梓するまで8年を費やしたらしい。
司法書士にとっては、刑事弁護の資格もなければ法廷弁護の経験もない。この小説は日本の刑事裁判の実態を知るには赤裸々に教えてくれる。
その一つが、警察、検察官、裁判官(裁判所と言っていいかも)は、同じ穴のムジナということである。
被疑者を取り調べるのが、検察官と警察官である。その令状を発するのが令状部裁判官。その裁判官の令状の発しかたが「令状の自動販売機」というのである。
その結果どうなるかというと被疑者の勾留期間が24日どころか何カ月にもなり、年を超えることだってある。最近その有名な犠牲者の一人が、大河原化工機の社長とその役員である。その役員は、癌を患って保釈請求したにもかかわらず裁判所はこれを認めず、獄中で亡くなった。
その後、この会社の社長は、取り調べの中の証拠捏造により不起訴となった。
これと似た事件として報道されたものは他にもあり、報道されていないものを含めると相当あるのではないかと疑いたくなる。
更に刑の有罪率を高めるために法廷で警察官は、弁護人から証人尋問をうけると「証言台の前で警察官ほど生き生きと噓を付ける人間は他にいない。」と告発している。
あら待てよ。官憲だけでなくこれと似たような弁護士がいる。
小生が、関係したある民事事件で平気でうそをつくのがいた。嘘を並べて攻撃してきたので証拠を突き付けて反諭したがこれに対して答えず嘘をつき通して認めない。同類である。
このような専門家がいる事さえ恥ずかしいと思うと同時に情けない。
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